IPカメラあるある
ネットワークカメラでよく使われる用語について
- ネットワークカメラシステムにおいて『画素数』、『フレームレート』、『画像伝送レート』などの言葉を耳にすることが多いと思います。
- では、これらの言葉は実際のところ、何を意味しているのでしょうか?
- 今回は、これらの用語について解説いたします。
- 画素数とは
- 『画素数』(画像解像度とも呼ぶ)とはネットワークカメラから出力される1枚の画像がいくつの点で構成されているのかを表す数値です。一般的に画素数が多くなれば、より大きくかつ高精細な画像となります。
- 例えば D1 と呼ばれる画素数は、横720個、縦480個の点で1枚の画像を表現しています。
- 一般的にネットワークカメラは複数の画素数の画像出力に対応しています。
- 主な画素数、解像度の種類
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通称名 サイズ 画素数 1080P 1920×1080 207万画素 SXVGA 1280×960 122.9万画素 D1 720×480 34.6万画素 VGA 640×480 30.7万画素 Half-D1 720×240 17.3万画素 CIF 352×288 10.1万画素 QVGA 320×240 7.7万画素 QQVGA 160×120 1.9万画素 - 画素数が大きくなるにつれて、高精細のより綺麗な映像(高画質映像)になりますが、同じハードディスク容量のデジタルレコーダーで記録できる時間が、通常、短くなるというデメリットもあります。
- フレームレートとは?
- 『フレームレート』とはネットワークカメラが1秒間に出力できる画像枚数のことを表しています。 単位は fps(frame per second)を使用します。 フレームレートの数値が大きくなると、ネットワークカメラからの映像はより動画に近い滑らかな映像になります。
- 画像伝送レートとは?
- 画像伝送レート(伝送速度とも呼ぶ)とはネットワークカメラが1秒間に出力するデータ量を表す数値です。 単位はbps(bit per second)を使います。
- 通常「画素数」や「フレームレート」が大きくなるにつれて画像伝送レートも大きくなりますが、この数値が大きければ大きいほどネットワークにかかる負荷は大きくなっていきます。
- ネットワークカメラでは画像を作る1つの点あたり16ビットのデータを送信します。(明るさ:8ビット、色:8ビット)
- D1画像は1枚の絵あたり720×480個の点があるので、1枚の絵あたりのデータ量は
- 16ビット × 720個 × 480個 = 5,529,600bps(約5,53Mbps)
- ※1,000,000bps = 1Mbps
- 1秒間あたり30枚の絵があるので、5.53Mbps × 30枚 = 約166Mbps
- 計算上は、カメラは1秒間あたり166Mbpsのデータを送信することになります。
つまり、画像伝送レートは166Mbpsとなります。(1秒間に1億6,600万回の『0,1(ゼロイチ)』データの送信) - しかし、実際にはこれだけの大きなデータを送信していません。それは、以下の理由からです。
- カメラが出すデータ量が膨大になるとネットワーク設備に負荷がかかる。
→コスト、安定性の問題 - 映像を記録するのに膨大なハードディスク容量が必要となる。
- カメラが出すデータ量が膨大になるとネットワーク設備に負荷がかかる。
- これらの問題を解決するため、ネットワークカメラシステムでは『圧縮』という技術を使ってデータを大幅に縮小してから送信しています。
- トーカイセキュリティのネットワークカメラの場合、MPEG-4方式で圧縮している画像の伝送レートは、最大でも4Mbpsです。
- つまり、画素数がD1(720 × 480)でフレームレートが30fpsのときのデータ(166Mbps)を送信する場合、1/40以下にデータを圧縮して出力しています。
- 圧縮について
- ネットワークカメラで採用されている主な圧縮技術
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JPEG 低
高静止画圧縮 圧縮率は低いが、圧縮による画質の落ちは少ない。
一般的に圧縮、及び伸長処理時間がかかる。MPEG-4 動画圧縮 画像により圧縮率は変化するが、JPEGよりは高圧縮。 H.264
(MPEG-4 AVC)MPEG-4よりも高圧縮を実現した動画圧縮方式。
カメラあるある
- あるある1. カメラを設置したらプリンターが使えなくなった。
- IPアドレスがかぶっていませんか?
プリンタに限らず、無線ルーターが使えなくなったり、パソコンがインターネットにつながらなくなることがあります。
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「カメラは●●番で、NVRは△△から連番で、」という具合に自分でルールを作っておくと管理しやすくなります。 - あるある2. カメラを設置したら、ネットのスピードが遅くなった。
- カメラ専用のネットワークでも、基幹部は必ず1000Mbpsでつなぎましょう。CAT5ではなく、CAT5e以上を使うこと。ネットワーク・カメラの高性能化に伴い、データ量も大きくなっています。100Mbpsまでしか対応していないCAT5ケーブルでは、帯域が不十分で通信速度が遅くなったりカメラの接続も不安定になる原因になります。 CAT5eケーブルでも、配管を通す必要があるときなどは、ノイズがのりにくい単線を選びましょう。(それでも駄目ならCAT6のシールドケーブルを。)
- あるある3. ネットワーク機器のIPアドレスがわからない。
- 機器の管理表を必ずつくること。カメラやNVRを設置する際は必ず機器管理表をつくりましょう。機種、IPアドレス、機種、IPアドレス、ログイン情報がわかれば、excel等でOKです。
- あるある4. 工事の後で通信が不安定になった。
- ケーブルが圧迫・断線していませんか?工事の後や部屋の模様替えをした後、カメラの映像が急に遅くなったり、通信できなくなったりしたら、ケーブルの圧迫や破損を疑ってください。ケーブルに重量物が載っている、というのであれば原因は明確ですが、気づかずにケーブルを圧迫したり、断線させてしまっていることも考えられます。
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思い切ってケーブルを交換してテストしてください。 - あるある5. カメラの映像が見えたり見えなかったりする。
- ケーブルのコネクタを確認してください。LANケーブルには異常がないのにカメラの映像が見えたり見えなかったり不安定。そんなときはケーブルだけでなく、コネクタも確認してください。
- あるある6. カメラの映像が見えないんです!!
- ファイアウォールとセキュリティを確認。
パソコンの「ネットワーク全般」をすべてチェックしてください。それでもダメなら
①セキュリティソフトを一度停止してください。
②インターネットオプション-セキュリティの「信頼済みサイト」にカメラのIPアドレスを登録してください
③同じ場所の「このゾーンのセキュリティレベル」を「中」にしてください。
最近問い合わせが多いのは、「フレームは表示されるが映像が見えない」「1回目はアクセスできるが2回目はダメ」というものです。ルーターのファイアウォールで制限されていることがあります。 - あるある7. 見えるカメラと見えないカメラがある!!
- 使えないポート番号があります。iPadのブラウザ(SafariやChome)では、ポート87番に接続しているカメラは見れません。ポート81から86番、88番以降のカメラは見れるのに、87番だけNG、ということになります。このほか、特定のアプリケーションで使用するポートがありますので、カメラに割り当てるボート番号には注意が必要です。
- あるある8. PoEスイッチにつないだカメラが動作しない!!
- PoEスイッチの給電能力を確認してください。PoEスイッチ、例えば7ポートに給電できるからといって、7ポート全てにカメラを接続できるわけではありません。各ポートに給電できる電力と、装置全体で給電できる電力が決まっています。必ず、カメラの消費電力<装置全体の給電能力になるように注意してください。
- あるある9. どのメーカーを選んでいいのかわからない!
- 安物買いの銭失いにならないように!!ネットワーク・カメラは国内外のメーカーからさまざまの機種が発売されています。用途をよく考えて最適な機種を選んでください。そのためにも録画は、様々なメーカーに対応できるNVRを用いるのがベストです。
- あるある10. どのNVRを選んでいいのかわからない!!
- ハードウェア・デコーディング対応モデルを選びましょう。遠隔からPCで、現場では直接NVRを操作、というのが一番便利です。また、本体のディスプレイを接続できるモデルなら、「ハードウェア・デコーディング」と呼ばれる機能を持つもののほうがライブ映像がスムーズに表示されます。
- あるある11. 録画データはどのくらいのサイズ?
- 録画容量の目安は、簡単に計算できます。 1Mbps=約10GB/ 1日 最近はH.264が主流となり画質の目安にビットレート(bps)が使われるようになりました。同じような画質でも、bpsが小さいカメラのほうが圧縮がよいことになります。 この圧縮性能と撮影対象を目安にしておくと録画容量を簡単に計算できます。
- あるある12. NVRの録画が途切れ途切れになる!!
- ダブル録画していませんか?NVRはカメラから録画設定に基づいたストリームを取得しています。ということは、2台のNVRが異なる設定でストリームを取得しにいくと、カメラが混乱して映像が配信できなくなります。「1台のカメラは1台のNVRで録画」というルールを必ず守ってください。
- あるある13. Windowsなら何でもOK?
- 常に最新の状態に保ってください。特に注意しなければならないのが、インターネットへの接続環境がない、クローズドな現場での運用です。Windowsを購入した時の状態でアップデートを行っていないと、カメラやNVRが新しくなったりバージョンUPしたりしてうまく接続できなくなることがあります。Windowsは常に最新の状態に保つ、ということを心がけてください。
- あるある14. パソコンから見れるのに、NVRに録画できない?
- DNSサーバー・アドレスを設定していますか?パソコンではカメラの映像が見えるのにNVRでは録画できない。こんな時は、次の点を確認してください。
①NVRのネットワーク設定で、DNSサーバー・アドレスとゲートウェイが正しく設定されているか。
②NVRに管理者用のIDとパスワードでカメラを登録しているか?
DNSサーバーが設定されていないと、ドメイン名でアクセスできません。また、一般ユーザーのIDでNVRにカメラを登録した場合、うまく接続できないことがあります。 - あるある15. 録画映像の提出、どうするんだっけ?
- ネットワーク経由で簡単に取り出せます。事件は発生した時に、屋外を撮影しているカメラの映像提出が求められることがあります。そんな時、NASベースのNVRなら簡単に録画ファイルをコピーできます。
①本体にUSBメモリを接続して再生ページからエクスポート。
②本体にUSBメモリを接続してコピーボタンを押す。このときは決められた日数の全録画ファイルがコピーされることになります。
③パソコンでNVRにアクセスして必要な録画ファイルをコピーする。ベースがNASなので簡単に録画ファイルを取り出せます。
※①以外の方法では、録画ファイルを再生するため「コーデック」が必要になるので注意してください。 - あるある16. アプリが動かないスマホがある!!
- Androidは必ず事前チェックを!!外出先でもNVRのライブ映像や録画ファイルを確認したい。そんな時、スマホ専用アプリを使えばどこからでもアクセスできます。
iOSのiPhone、iPadは問題ありませんが、Androidには様々なバージョンとキャリア、機種による特性があるため、中にはNVRと相性が悪いものもあります。お使いのAndroidで正常に稼働するか必ず確認しましょう。 - あるある17. NVRの時計がどんどんずれる!!
- NTPサーバーと同期してください!NVR、カメラ、PCそれぞれ時計を持ちますが、どうしても時刻がずれてしまいます。時刻を正確にする方法はただひとつ、NTPサーバーと同期することです。NVRがインターネットにつながっているのであれば、web上のNTPサーバーと同期すればよいですが、クローズドな環境にある時はNTPサーバーを設置する必要があります。比較的、時間のずれにくいPCをNTPサーバーにする方法もありますが、正確な時刻を維持したいのであれば、GPSで時刻を取得する(インターネットに接続不要)NTPサーバー「VS-LTS」が便利です。
- あるある18. 今のNVRにカメラを追加したい!!
- ファームウェアをバージョンアップ!新しい機種、新しいメーカーのカメラを既存のシステムに追加したい、でもNVRが対応していない、ということがあります。しかしNVRも進化を続けており、新機種への対応、新機能の追加を行っています。これらは全て「ファームウエアのバージョンアップ」で対応しています。